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猫の繁殖について解説

今回ご紹介をさせて頂くのが猫の繁殖・繁殖方法・猫の妊娠・お産後について解説をさせて頂きます。

Contents

猫の繁殖

繁殖(ブリーディング)とブリーダー

ブリーダーの役割

ブリーディングは、人が責任と知識の下、人為的な管理交配で動物の生命を誕生させる行為です。

血統猫は、それぞれが個性的な特徴があり美しい容姿を保っていますが、人が作り出したそれらの特徴は自然のまま放置すると元戻ってしまいます。

ブリーダーとして大切なのは、繁殖する品種の特徴を維持して改良し、よりよい猫を後世に残すことです。

繁殖に必要な基礎的な遺伝学を学んで、猫の健康、性格、骨格などに責任を持たなくてはいけません。

そして生まれてきた子猫を健全に育成し、次の飼い主に引き継ぎます。

またH18年6月に「動物の愛護及び管理に関する法律」が改正され、“年間に2頭以上繁殖する人はブリーダーである”と規定され、ブリーダーとして届出が義務付けられ、責任が明確になりました。

ブリーダーの心得

猫や犬と一緒に生活を望むなら、職業としてブリーダーになるのも一つです。

正しい意味でのブリーダーと呼ばれるには最低限の心得として、猫種のレベルアップを目指し、健康で性格の良い子猫の繁殖を目的とすることです。

そして、生まれてくる小さな命に責任を自覚することが大事です。

またブリーダーになるためには

猫種のスタンダードを学び、正しく理解する、繁殖学を学ぶ事と優れたタイプと血統のメスを入手し、実際に繁殖する少なくとも以上3つのステップが必要とします。

繁殖を目的として飼う最初の猫はメスが良いです。
自分の猫が子猫を産んで初めてブリーダーのスタートラインに立つことができるからです。

繁殖を目的として猫を選定する場合は、一定以上のレベルの猫を選らばなければなりません。

選択をするポイントとして、性格がいい、骨格構成が正しい、健康、猫種スタンダードの失格条件がない事、優秀な血統を受け継いでいる事があります。

性格は、両親や先祖を調べること。骨格構成はしっぽや口元が特に注意が必要です。血統については血統書を調べるとわかります。

上記のどれかが欠けていると、優秀な猫の繁殖計画が遠回りになってしまいます。

繁殖の方法

繁殖には次のいずれかの方法をとります。

近親繁殖(インブリーディング)

叔父と姪、叔母と甥のように、非常に近い親族で交配する方法

長所は両親の遺伝形質を強く受け継ぐことができますが、短所として欠点とされる部分が強く遺伝する可能性があります。また劣性遺伝で隠れていた部分(体の委縮、内臓欠陥、肩睾丸、不妊、奇形など)が現れることもあります。非常に悪質な遺伝もなかにはあります。

インブリーディングは安易に誰もが試みる繁殖方法ではありません。実行する場合遺伝学の知識、豊富な繁殖経験が必要で、何より、障害を持つ猫が生まれた際、その命に対する責任を負う覚悟が必要です。

 

系統繁殖(ラインブリーディング)

血統書に書かれている3代から5代祖の中で、同一の祖先を共有するオスとメスを交配する方法です。

長所はインブリーディングの短所が緩和され、優れた猫の子孫同士の組み合わせは数多くの名描を誕生させています。

異系繁殖(アウトブリーディング)

先祖4代の血統書の中に同一の祖先を共有しないオスとメス、または非常にかけ離れた血統間での交配方法。

長所として、奇形など生まれは少ない。優秀な形質同士で異なる交配は、時に新しいタイプを生むので、タイプの改良を発展させることもあります。

短所 生まれてくる子猫のレベルが不安定です。この方法で繁殖された猫は「アウトクロスの猫」と呼ばれ、一般的に良い猫種になることが少ないそうです。

極近親繁殖

兄弟姉妹など、きわめて近い組み合わせで交配する方法で希少種を入手した場合などにこの方法をとらざるを得ないこともあります。

第二次世界大戦後、ほとんどの猫種の数が激減してしまい、一説によると血統登録されたアビシニアンは12頭ほどだったと伝えられています。

このような状況下で、各猫種の存続、品種の向上のため、極近親繁殖は行われました。

注意としては、外見上の奇形、内臓欠陥、虚弱体質、神経質な性格などの遺伝的欠陥が現れることがあります。

過去日本では、ペルシャン(シルバー)のブリーダーの間で極近親繁殖が行われたことがあり、

結果、性格の悪い猫、体が小さい猫、心臓障害を持つ猫などが作出され、大きな弊害をもたらすことになりました。

異種繁殖(ハイブリッド)

全く別の猫種を交配させる事。
新しい猫種を作出、タイプの改良および保持に必要とされる場合に認められるものです。

近年、ヤマネコなど野生ネコと家庭猫を交配させた新しい種が人気がありますが、野生動物の生態系に及ぼす影響、成長と共に性格が変化する可能性を考えると問題がないとは言えません。

人が野生の生態系に手を出す行為について、再考する必要があるのではないでしょうか?

ブリーディング前の注意点として

交配の適齢期

早熟なメスは、生後6~8か月で発情を迎えます。母体の成熟度を考えると満1歳が交配の適齢時期の目安となります。

体重は種によって異なりますが、2.7㎏を超えていること、また一番大切なのは母猫が健康であることです。

発情時の行動

メス

発情すると大きな声で頻繁に鳴き、這いつくばるような姿勢で腰を高く持ち上げて振ります。

また猫によっては、トイレ以外で粗相をしたり、いつもと違う行動を見せることがあります。
生後6か月で発情する早熟なメスがいる一方、遅い子では最初の発情が2歳を過ぎることもあります。

メスの発情は日照時間に影響されます。12時間以上(人工的な照明含め)にすると、ほぼ1年通して発情しますが、8時間以下の日照時間だと発情はしません。

オス

オスはメスの発情に触発されて交尾の態勢をとるので、発情を示す特別な行動はありませんが、生後8か月位から、部屋のあちこちでスプレーをする猫が多くみられます。また、しきりにメス猫を呼ぶ鳴き声を上げたりもします。

優秀な種オスの条件は、メス猫を選ぶ時と同じです。キャットショーなど、実際に見て回り素晴らしいとと思える猫に会えたら、猫のオーナーに相談してみるといいでしょう。
また優秀な猫の父猫に注目するのも良いです。

また猫のお見合い前に、交配時の取り決めなど、飼い主同士がお互いの飼育管理の状況、血統書のコピーや写真を交換して、納得いくまで情報交換しましょう。

交配料や、失敗した際のの再交配についての条件、ワクチン接種の証明、健康診断の内容、けがや病気といった不測の事態が起こった際の対処法についてなど、お互いが希望する内容を文章にして取り交わすことが大切です。

猫の交配は野性的ですので、ケガをしたり、病気などに感染しないとも限りません。
お見合いには、飼い主同士の間に信頼関係を築くことも重要です。

妊娠と出産準備

妊娠期間

猫の妊娠期間は62~67日と幅があり、平均64日間になります。
比較的に少ないですが、妊娠すると嘔吐したり、精神的に不安定になる猫もいます。

個体差はありますが、妊娠6週目位から腹部が膨らみ始め、乳首がピンク色になり目立ってきます。日増しに腹部は膨らみ、乳腺が発達し、飼い主に甘えが強くなります。

出産が近くなった猫の乳首をつまむと父の分泌があり、出産間近にはお産場所を探す行動が見られます。

出産の準備

交配が終わったら出産の準備を始めます。

なるべく猫を平常のまま過ごさせてあげることが大切で、栄養バランスのいい食事であれば急に変える必要はありません。
産箱は、段ボール箱を利用すると便利です。

母ネコがある程度自由に動ける大きさが必要で、中に前もってペットシートやバスタオルを敷いておきます。

交配から40日を過ぎ、乳首が膨らんでピンク色になっていれば退廷は妊娠していますが、中には想像妊娠という場合もあります。

出産

出産は神秘的で、立ち会う者に緊張と感動を与えてくれます。

出産直前の仕草は猫によって異なりますが、普段より飼い主に甘える様になったり、食事をしなくなるのが一般的なようです。
飼い主は用意していた産箱で出産するように促します。

出産の兆候として、腹部に小さな痙攣が起き、母猫は軽くいきみます。初めは軽く、短いいきみですが、次第に間隔が狭まり強くなってきます。

いきみの感覚が狭まり、腹部が強く波打つようになり母猫の息遣いが荒くなると、いよいよ出産直前です。

母猫がいきみに合わせて力強く踏ん張ると、灰色のピンポン球のような胎児の入った羊膜が現れ出産します。母猫はすぐに羊膜をなめ、へその緒を噛み切ります。

母猫が切らない場合は飼い主がへその緒を切ります。胎盤が切れてしまっている場合はそのままにしておいて大丈夫です。

※へその緒を切る場合、へその緒を糸で縛り、縛った箇所の胎盤側をハサミで切ります。

この時に子猫側のへその緒を切ってしまうと出血するので注意してください。またへその緒を強く引っ張ると出べそになることもあるので、慌てずに処理します。ハサミなどの衛生も気をつけること。

子猫が小さな産声を上げて自分で呼吸をし始めます。

鳴き声が聞こえない場合は、羊水が気管に詰まっている場合が多いので、両手で子猫を握
り、水を切るように少し強く振ったり、背中の部分を軽く叩いてあげてください。
子猫の口元に口をつけて軽く吸うのも効果的です。

胎盤は子猫と一緒に出てくる場合と、あとから出てくる場合もあります。
胎盤が出てから少し待つと次の出産が始まり、これが繰り返されます。

産後の母猫・子猫の食餌

母猫は毎日の子育てで大きな負担がかかってしまうので、授乳中は栄養価の高い食餌を与えてあげましょう。またストレスのかからない静かな環境を用意することが大切です。

一般的に、乳児は母乳だけで成長するので、母猫には通常の3倍のカロリーが必要になります。

栄養バランスの良い食餌を、1日数回に分けて与えてください。
また、母猫の体調は気を配ってください。なった食欲がない場合は、すぐに獣医師の診察を受けてください。

子猫の最初の食餌と離乳

早い子では生後1カ月前後で母猫の食餌に興味を示します。

離乳食は、基本母猫の食べているものに粉ミルクを混ぜたものや、ドライフードをふやかしたものをあげますが、食い付きが悪い時は、マグロの赤みや牛肉を生のまま細かくし、猫用粉ミルク、乳児用整腸剤を混ぜたものを与えます。

子猫の動きが活発になると食欲も出てくるので、徐々に子猫専用のドライフードなどに切り替えます。

子猫と母猫が一緒にいる時間を少しずつ短くし、子猫が自分で食べる環境を作っていきます。

毎日の体重測定が大事

健康な子猫はあまり鳴きません。母猫がそばにいて「ピィーピィー」鳴く時は、母乳の出が悪く、おなかを空かせているなど、何らかの合図です。

子猫の成長は、毎日の体重測定でチェックしましょう。

この時、子猫と十分触れ合うと、人への警戒心が少なくなり、慣れやすい性格が形成されますし、傷や病気など何らかの異変にも早く気付いてあげられます。

また、生まれたばかりの子猫は、7日間ほど自分で体温調節ができないので保温に注意しましょう。

子猫の眼は生後5~12日ほどで開きます。

注意しておいて欲しいのが母猫は、元気がなく弱々しい子猫を見捨てる事があります。この場合、母猫のそばに子猫を置いておくと、押しつぶされる危険があるので、隔離して保温に注意しながら人口哺乳で育てます。

そして、ほかの子が寝ているときに母猫に近づけ、乳を吸わせるようにします。
子猫が生きられるかは、体の大小よりも、その個体の生命力が決め手になります。

まとめ

今回は、猫の繁殖方法や猫の妊娠やお産後について解説をさせて頂きました。

もし産まれてきた子猫を飼う事が出来ない場合は、産まれてきた子猫達が、飼い主のいない猫になってしまいます。

また新しい飼い主が見つける事が出来ない場合もありますので、産まれてきた子猫を飼う事が、出来ない事が少なからずある場合は、猫を去勢や不妊手術をしてあげて下さい。